しょっつる

しょっつるを食べる

　　Top＞東北の旅　味覚編１「しょっつる」

　　　　　　　　　　　　　　　　　東北の旅　味覚編１「しょっつる」

◇　しょっつる鍋　◇ 　　　　　　　　　　お城や歴史のことばかりになってしまったので、　　　　　　　　　ここいらで食べ物のことに触れます。　　　　　　　　　　東北にも美味しいものがたくさんあります。　　　　　　　　　その中で特にお勧めしたいのは、　　　　　　　　　何と言っても「しょっつる鍋」です！　　　　　　　　　　私は本当のところ、スキヤキや寄せ鍋、　　　　　　　　　フグちりやカニすきなどの鍋物の類いを、　　　　　　　　　それほど好んでは食べません。でも、しょっつるだけは違うんですよね。　　　　　　　　　　「しょっつる」というのは「塩汁」のことで、タイのナンプラーや、ベトナムのニョクマムと似ています。　　　　　　　　　魚のハタハタ（最近知らない人がいる！）に、塩を入れて漬け込み、骨や形がなくなるまで、　　　　　　　　　発酵させて２年以上寝かせた魚醤のことです。ですから出し汁が濃厚で、とても奥深いのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しょっつる鍋というのは、その出し汁をベースに、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハタハタを必ず入れて、他の具材は椎茸、豆腐、ごぼう、白菜、春菊など一般的な鍋物と一緒です。　初めて食べたのが中学の時で、ハタハタはこんなに美味しいものだったの？と思って餓鬼のごとくがっつき、食べた後でしょっつる鍋であることを知りました。　　　　　　　　　　そのころは秋田を始めとする東北や、北海道でハタハタというのは、日常的な魚であったと思います。　　　　　　　　　以前は私の家でも、秋口を過ぎたころから、　　　　　　　　　毎日のように食卓に上がる魚で、またか？という感じでした。　　　　　　　　　それにあのブリコという卵の独特なヌメリや、歯応えのある弾力性が正直苦手でした。　　　　　　　　　小学生くらいのころは、獲れすぎて困るとの話も聞いたことがあります。　　　　　　　　　ところが開発による海洋環境の変化や、乱獲などがたたってハタハタは激減しました。　　　　　　　　　大衆魚は高級魚になってしまい、一匹１０００円以上まで現れる始末です。　　　　　　　　　　男鹿半島の各漁協は悩み考え、平成４年に３年間の自主禁漁に踏み切り、　　　　　　　　　禁漁期間中は、稚魚の放流が行われ、「育てる漁業」が始まったと新聞で読みました。　　　　　　　　　　最盛期だった昭和４０年代の漁獲量には、まだまだ及ばないようですが、　　　　　　　　　確実にハタハタは増えているとのことです。　　　　　　　　　　　書いているうちにしょっつる鍋が食べたくなりました。　　　　　　　　　今年もハタハタが豊漁でありますように･･･。
秋田のハタハタは1年を通して食べることができます！