柳川

柳川への旅

　　Top＞柳川を訪ねて

　　　　　　　　　　　　　　　　　柳川を訪ねて

道産子の私にとって、九州は憧れの地だったのです。　　そんな憧れの九州で真っ先に行ったのが柳川でした。　　　友人はみんな「何で柳川？」と訊くのですが、　　柳川には確かな歴史と文化が息づいているからなのです。　　　柳川の歴史と文化というのは立花家とともにありました。　　その礎を築いた戦国武将・立花宗茂を訪ね、　　宗茂のいたその地に立つことを目的に旅をしたのです。　　　立花宗茂という人は、関が原の戦いで西軍に加担し、改易（単純に言えばクビです）されながら、　　本領・柳川に返り咲いた唯一の武将であるところから、奇跡の武将と言われています。　　宗茂は若いころから戦の天才とも言われ、生涯一度も負けたことはありませんでした。　　　　また政治家としては、改易された宗茂が柳川を出立するとき、　　その別れを惜しむ農民たちが、涙で見送ったとの話が残っています。　　手厚い民政を施していたことが窺えますね。　　　　　　　意外に知名度の低い立花宗茂ですが、その人柄は温順で寛厚。　　人徳があっておごることがないと「名将言行録」でもベタ誉めです。　　　改易後２０年以上離れていた柳川に返り咲くことが決まり、いよいよ柳川に足を踏み入れたとき、　　迎え入れる農民たちは歓喜の涙を流したと伝わります。　　そのとき、宗茂の胸に去来するものは、いったい何だったのでしょうか。　　　私は宗茂のいた場所に立ちたくて、柳川を訪れ、実際に立ちました。　　宗茂はこの街の山や川や水郷、そして何より柳川の人々を、　　こよなく愛していたというのが、　　チョットだけ分かったような気がしました。　　　　　ところでもうひとつ柳川を訪れた理由があります。　　時の流れを超えて、立花宗茂に勝るとも劣らず、　　柳川を愛した詩聖「北原白秋」に触れたかったのです。　　　北原白秋に出会ったのは、高校生のころにさかのぼります。　　訳も分からず「邪宗門」を読みました。エエ格好するためだったのですけどね(^_^;) 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白秋は「水郷柳川は、我が詩歌の母体である」と詠んでいます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのころは、単純にこんなことを言わしめる柳川とは、　　一体どんなところなのだろう？と思うくらいのものでした。　　　でも、この土地に確固たる文化が根ざしているからこそ、　　そう言い切れたのだろうと今は思います。　　また白秋の作詞した童謡「この道」は、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北海道を歌ったものとも聞いていたので、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　他人のような気がしていませんでしたね(^.^) 　　　　さてまずは「北原白秋記念館」です。　　ここでは特に説明も要しないと思いますが、白秋が柳川を愛したように、　　柳川の人々が白秋を愛し、誇りに思っているのが伝わってきます。　　　白秋の記念館の近くに「御花」があります。「御花」というのは立花家の別邸の愛称で、　　今は宿泊施設として使われているのですが、ここに資料館があり、必見です。　　　別邸があるからには本館があります。　　本館には「松涛園」という仙台は松島を模した日本庭園があり、見る者の心を捕らえること必至です。　　　　柳川と言えば水郷の街、したがって川下りです。　　一時間ちょっとの間、街並みを眺め、　　船頭さんの話に耳を傾け、昔気分に浸ります。　　　川下りを楽しんだあとは腹ごしらえ。　　聞けば柳川はうなぎのせいろ蒸しが有名とか。　　舟から街並みを見ていると、確かにうなぎ屋さんが多いような･･･。　　　船頭さんが言うにはどこも美味しいとのこと、　　適当に入ったら本当に美味しかったです！