太平記

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太平記を歩く

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                 鳥取 太平記を歩く
  鳥取出身の友人に太平記ゆかりの地が鳥取にはあるはず、
  と話したところ太平記を知らなかったので、らっきょうと梨の話に変わったことがあります(^_^;)
  
  私が鳥取に旅をしようと思い立ったのは、吉川英治の「私本 太平記」と、
  山岡荘八の「新太平記」を立て続けに読了したからです。  
 
  どちらの太平記も読み応えはたっぷりありますが、
  一気に読み終え、その時点で気持ちは鳥取米子でした。
  なので鳥取の旅は「太平記」を歩くというものです。
  
  打倒鎌倉幕府を掲げて挙兵するものの、
  失敗に終わった元弘の乱の後、
  後醍醐天皇は北条氏によって隠岐に流されてしまいます。
 
  「太平記」によりますと、1333年、隠岐から脱出した後醍醐天皇は、
  何とか陸地にたどり着き、この地の豪族、
  名和長年に決起を要請します。
 
          しかし、鎌倉幕府から地頭を任ぜられている長年にとって、
          その要請を受け入れることは幕府への謀反となってしまいます。
    
          大いに悩んだ長年でしたが、一族を招集して会議を開き、
          「屍を戦場にさらすとも、名を後世に残すことこそ名誉」と挙兵を決意。
          ただちに天皇を奉じて、船上山(せんじょうざん)に立てこもります。
 
          天皇に逃げられた隠岐の判官たちは大軍を率いて船上山を攻撃しますが、
          長年を筆頭とする名和一族は見事にこれを撃破。
          さらに幕府側と戦って周辺一体を平定、天皇を無事京都に送り届けました。
  
          京都に戻った後醍醐天皇は、ついに鎌倉幕府を滅ぼし、
          1334年に新しい政権を樹立、「建武の新政」を開始します。
 
  名和長年は、その戦功により天皇に重用され、
  多くの領地を与えられると同時に中央政府の重職に就きました。
 
  しかし、あまりに独裁的・急進的だった後醍醐天皇の新政は、
  武将や貴族たちの反発にあって大きな混乱に陥り、
                                      翌年には、足利尊氏の離反、挙兵によって崩壊します。
  
                                      長年は天皇を守って吉野に逃れ、
                                      一旦は足利尊氏を九州に追いやりますが、
  西国の大軍を従えて攻め上がってきた尊氏との再度の戦いで敗れ、
  京都一条大宮で壮絶な死を遂げます。
  
  後醍醐天皇は、そのまま吉野で南朝を樹立。
  京都に返り咲くことを夢みつつ1339年に亡くなります。
  
                                      その後、南北朝の争いは60年余も続きましたが、
                                      時代はすでに「室町幕府」へと大きく動いていくのです。
  
                 名和長年は、楠木正成(くすのきまさしげ)、
                 結城親光(ゆうきちかみつ)、千種忠顕(ちぐさただあき)とともに、
                 「南朝の四功臣」と呼ばれましたが、明治時代になって従一位を贈られ、
                 一族42名とともに今も名和町にある「名和神社」に祀られているのです。
  
          かなり大雑把に太平記を進めてしまいましたが、
          この「太平記」の舞台をコースとして歩くのが「潮風のみち」なのです。
 
  御来屋駅を起点とした全長13.7kmのコースは、
  急ぐことなく一日かけて見て回りたいですね。
 
  お腰掛けの岩、元弘帝御着船所の碑、住吉神社、
  名和公園、名和神社、名和公屋敷跡、長綱寺、
  名和公一族郎党の墓、的石、氏殿神社、三人五輪、
  伯耆往来と大山道分岐、旧山陰道(伯耆往来町並み)、
  伯耆往来、木料海岸、下坪海岸と見どころ満載の散歩道です。
                    
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