道南

道南を旅する

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　　　　　　　　　　　　　　　　　北海道の旅　道南　１

函館を中心とした渡島半島を道南と呼びます。　　　　　　明治時代に入ってから以降、　　　　　　そのほとんどが開拓された北海道の中にあって、　　　　　　それ以前から拓かれていたのが道南でした。　　　　　　　それゆえ、歴史の好きな人ならば、　　　　　　必ず向かうのが道南でもあるのです。　　　　　　　　一番最初に私が道南を訪れたのも、　　　　　　歴史と文化に触れるためでした。　　　　　　　　　◇　函館　◇ 　　　　　　　道南の中心地、函館は１８５４年の神奈川条約の締結により、　　　　　　伊豆下田と共に日本で初めて開港した歴史的な港町です。　　　　　　　そしてこの年、アメリカのペリーが函館に入港していることは、　　　　　　意外に知られていない史実なのです。　　　　　　　その後、１８５９年には日米通商友好条約が結ばれ、　　　　　　函館は欧米文化の影響を直接受け、急速に発展していきました。　　　　　　　欧米文化影響の面影は、　　　　　　函館元町周辺の建造物に今なお残っています。　　　　　　　異国情緒あふれる元町辺りは、散策には最高のエリアです。　　　　　　ハリストス正教会、聖ヨハネ教会、元町カトリック教会、旧イギリス・ロシア領事館、中華会館に外人墓地etc 　　　　　　文明開化という言葉を教科書で習ったと思いますが、ここでほんの少し体感できるかもしれません。　　　　　　　　函館を訪れたのなら、函館山に登らなければなりません。　　　　　　香港、ナポリと並んで、世界三大夜景の一つとして有名です。　　　　　　　夜景ばかりでなく昼間の眺望も本当に素晴らしいので、　　　　　　夏場であれば、夕方６時ころに登頂することをお薦めします。　　　　　　７時ころには日が暮れていきますので、両方楽しめるのです。　　　　　　　五稜郭は旧幕軍と新政府軍との最後の戦い、　　　　　　箱館戦争の主戦場でした。　　　　　　獅子奮迅の活躍も虚しく、非業の死を遂げた土方歳三。　　　　　　エゾ地を本気で独立共和国にしようと考えた榎本武揚など・・・。　　　　　　　五稜郭にたたずみ、圧倒的武力で迫り来る官軍との戦いの中、　　　　　　彼らがここで織り成したドラマに思いを馳せると胸が熱くなります。　　　　　　　函館はイカが有名ですが、海産物は何でも美味しいですね。　　　　　　有名な朝市に行くと、店先でホタテやツブ、ウニ、　　　　　　イカを焼いていて、一つだけで買うことができます。　　　　　　もちろんウニは生でもOKですよ。　　　　　　　温泉好きな方には、道南で最大規模の湯の川温泉がお勧めです。　　　　　　日帰り入浴で、旅の疲れをチョットだけ癒してみてはいかがでしょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇　トラピスト修道院　◇ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　函館から車で小１時間ほど、　　松前方面に向かって行くと上磯町です。　　　　ここには日本初の男子修道院、トラピスト修道院があります。　　私は神々しい雰囲気のここのたたずまいが大好きで、　　道南を回るときは必ず訪れることにしているのです。　　　内部の見学は、往復葉書による事前予約が必要なのですが、　　資料展示室や、建物の裏手にある「ルルド」は見学自由です。　　　　修道院の敷地内をゆっくりと散歩するだけで、　　こころが浄化されていくような気がします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そこからさらに足を伸ばして松前まで行くと、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北海道唯一の旧日本式居城、福山城が見られます。　　　　焼失、取り壊し、復旧という過程を経て、　　現在の形に至っているのですが、　　本丸御門は昔のまま、往時の面影が偲べます。　　　また５月の初めの福山城は桜が満開。　　モチロン五稜郭の桜もお見事なので、　　　　ゴールデンウィークの日程が合うと、　　私は道南から桜前線とともに北上するのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次につづきます