備中高梁 |
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初めて岡山を旅したときに訪れたのが、 備中高梁(びっちゅうたかはし)です。 岡山や倉敷ではなかったのは、 備中高梁でなければ見ることのできない、 素晴らしいものがあるからなのです。 JR岡山駅から普通電車で約50分の備中高梁は、 日本の「三大山城」の一つ、 備中松山城を中心として栄えた城下町です。 備中高梁駅より車でふいご峠まで20分。 そこからは、標高420mの臥牛山山頂まで徒歩約20分。 日ごろの運動不足解消には結構な距離です。 さすがに日本一高いところにある山城です。 明治の廃城令以後、高いところにあったがゆえに、 壊されることもなかったそうなのですが、 手入れもされぬまま、荒れるに任せる状態でした。 昭和に入って間もなく、由緒ある山城の面影を残そうと 松山城保存会の人たちが復旧に立ち上がります。 天守閣の解体修理、二重櫓と土塀の補修に着手し、 町内会や中学生たちの勤労奉仕もあって、 1940年に復元、修理が終わったのです。 現在は国の重要文化財に指定されており、 その落ち着いた佇まいは、往時を偲ばせてくれます。 岡山と言えば岡山城が一般的に有名ですが、 ここ備中松山城も必見です。 備中松山城を後にして町中を散策します。 ただ歩くだけなのですが、 自分が江戸時代に生きているような感覚になります。 この町割をしたのは国奉行として入った小堀遠州という、 一流の土木技師でありながら、超一流の茶人でもあった人です。 今は静かなのどかな雰囲気の町ですが、 戦乱の世において、ここ高梁は軍事的に重要な町でした。 山麓に寺社仏閣が並んでいる一角があります。 見事な石垣が組まれており、 それらが戦乱時の防衛線であることが分かります。 城下町というものが城を中心に、 如何にして戦乱に備えているかが勉強になる町です。 小堀遠州は、町割りも去ることながら、 この地に「頼久寺」という大きな財産を遺しています。 立派な石垣上に堂坊のあるこの寺は、 室町時代からの禅宗の古刹です。 一時、ここを居所としていた遠州が造庭しました。 愛宕山を借景にしたこの庭園は、 これぞまさに枯山水と言える見事なもの、 時間が許せばいつまでも見ていたい庭です。 |
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